BUMP OF CHICKENを聴いて涙できる日々がいつまでも続くといい。

私がいちばんこわいと思うことは、大切なひとを失うことだ。


お化けとか心霊現象とか怖いとはそこまで思わないけど、周りにいる家族とか友達とか、(いないけど)恋人とか、いなくなっちゃったらどうしよう、って思うと本当にこわくなる。いつかは失う。わかっているけれど、いることが当たり前だから、いないということがこわい。


今年のノーベル平和賞を「ICAN」が受賞した、という新聞記事を読んでいた。核兵器禁止条約は採択されたけれど、核なき世界はまだ難しい。日本政府は未だ批准せず。……


仮にどこかに核兵器が落とされたとして、失われるのは数え切れないほどの罪のない生命だ。日本から遠い国で起きたことだとしても、そこで犠牲になった人は、誰かにとっての「大切なひと」であることには違いない。日本で起きたらなおさら実感するだろう。みんな、誰かにとっての「大切なひと」なんだ。わたしも、これを読んでいるあなたも。


自分の「大切なひと」を、このような不本意な理由で失ってもいい人なんてひとりもいない。そのことをわたしは知っている。核兵器だけじゃない。日本にいれば当たり前なことも、もっと貧しい国だったり、もっと貧しい人たちが、当たり前に享受できないことで、大切なひとを失うことも、決して正しいことではないと思う。貧しさが理由で大切なひとを失うこともあるのだと思っている。わたしはたまたま日本に生まれたから、その豊かさに守られているのだと。たまたま。


BUMP OF CHICKENを聴いて元気になれたり涙したり、こんな当たり前がいつまでも続くといい。YouTubeサンドウィッチマンの動画を見て笑っていられる日々がいつまでも続くといい。学校に行って友達と笑って、家族に朝起こされて、一緒にご飯食べて、好きな人には好きと言える、ありがとうやごめんねが言える、そんな当たり前がいつまでも続くといい。


そんな当たり前が続くこと、大切なひとを失う悲しみをひとつでも減らすこと、少なくすること。そのためにわたしができることがあるならなんだってやりたい。これから先、生きていく上でできることを増やして行きたい。大切なひとを失うことが怖いからこそ。